2011年11月19日土曜日

スケール感

去年の夏、会社を辞めてせどりを始めたばかりの頃、父親に古本屋をやっていくのかと言われた際になんでだか少しムキになって古本屋じゃない、中古本を扱って商売してるだけで古本屋になるわけじゃない、って言ってたことをふと思い出しました。
でもこの頃、古物商許可を持ち、仕入れした本を仕分し出品・販売しお客さんの元に送り届けるという一連の作業が、あれ?俺って古本屋っぽくなっちゃってる?って、んでもってそういうのがどことなく悪くない気がしたりして、妙な座り心地の良さ、フライフィッシングの竿と糸が緩やかな螺旋を描くような妙なしなりの良さ、そんな気持ちが浮き沈みしているような面持ちで、あれやこれやと日々が過ぎていくのを感じています。

屋号をあめつち商店と定めたのも、当初は古本屋らしくあめつち堂なんてどうかしらと思いついたもののあめつち堂ではあまりに古本屋すぎると思い、もっと商売そのものを表に出して、どうと立つ姿よりはパタパタ動き回ってるほうがいいな自分らしいななんて思ってあれやこれや思案した末、ひろ~い空とひろ~い草っぱらばっかり見てたいかにも自分サイズなスケールの幼少時代の自分が日頃近所の小さな商店に出入りしてスズメの涙ほどの僅かな小遣いから雑誌やらお菓子やら漫画やらコツコツ買い求めては、そんなでも新しい刺戟に触れたワクワク感を抱いていたことを思い出し、自分はあの○×商店のあのスケールの小さな空間にあの頃なりのめいっぱいの広い世界が詰まってる、もとい世界が広がってるような気がしてたんだなぁってことを思い出し、あのちょっとした万屋のごとく親しんだ○×商店とおんなじ商店という看板を自分も持ってみたい名付けてみたいという誘惑にかられたからのことではありました。
そして、あめつちのフレーズは、Twitterで古書タローさんも呟いておられましたとおりあめつちの詞から拝借しました。自分としては神羅万象・宇宙開闢、全であり、真である、そんなことをこじつけたつもりですがさてさてこれから先どうなっていくかもさっぱり見当つきませんが、少なくとも商いそのものを純粋に楽しんでいきたいというのは、せめてもの願いです。

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